あるけみーの小屋

趣味の話とか色々

『AI崩壊』は決してエンジニア向けの映画じゃない

普段映画なんてほとんど観ない上に、レビューなんてしたことがないので思ったことをつらつら並べるだけですが、今日観てきたので感想を書きたいと思います。内容に入る前に、この映画の主題はずばり、人工知能は人を幸せにできるのか?」という問いかけです。人工知能(AI)と聞くと、よく分からないだとか私には関係ないと思う方がいると思います。僕も正直よく分かってません。AIって正確な定義すらないですからね。だからと言って自分には関係ないた切り捨てる行為は非常に危険だと思ってます。なので、この映画はエンジニアだけでなく、この世界に生きる人全てにおすすめできるものかなと思いました。ちなみに真犯人は割と簡単に推理できました。人の表情とか、時代背景を考えれば簡単です。でもこの作品の本質は犯人探しをするところではありません。

 

以下若干映画内容に触れるため、観る予定がある方はブラウザバック推奨です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

作中の中では2つのAIが登場します。一つは医療用AI、そしてもう一つは犯罪捜査のためのAI。後者はまさにPSYCHO-PASSの世界のようなもので僕はこのシステムは面白いなと思いました。さて、この2つのAIですが、根本的には全く同じ仕組みです。使い方が異なるだけです。人を生かすためのAI、そして犯罪捜査のためのAI。たったこれだけ。今回真犯人は人を生かすためのAIを利用し、「人を選別するためのAI」にしてしまいます。人々の生活はAIに頼り切っている世界観のためその気になれば簡単に殺せてしまう、そんな世界になりかねない状況でした。この問題に対して主人公桐生はAIによる追跡を潜り抜け、なんとかプロトタイプのプログラムを利用し、新しいAIをプログラムして真犯人を見つけめでたしめでたしという話です。

 

  • AIが仕事を奪う?

さて作中でAIに対して反対する人々が描かれていました。仕事がなくなることを恐れてデモを起こしていました。これについては現時点でも議論されており、本なども出版されています。でも「AIのせいで仕事がなくなる」という主張って正しいんですかね?あくまで個人的な意見として厳しいことを言うのであれば、「AIができる仕事を人間がやる意味はあるのか?」ということです。みんな仕事は嫌い嫌いって言ってるのに、いざ仕事がなくなるとなると途端に騒ぎ出す。そりゃお金が必要ですよね。そこにAI活用すれば効率の良い稼ぎ方とか教えてくれそうなもんですけどね。僕は世の中どんどんAI化して仕事がなくなれば良いと思ってます。その方がやりたいことできるでしょ?生きる上で大事なことって、「どんな社会になっても生きて行ける術を身につけること」だと思うんですよ。だから勉強するし、色んな経験をする。勉強しなければそれこそAIに文字通り殺されますよ。仕事がなくなるからAI反対!とか言ってる人は対してAIのこと分かってないし、理解しようともしてないと思います。理解しようとしない時点でもうおしまいです。僕だったらAIを運用する側の人間になれるように勉強するとか、要はAIが主導する世界になっても仕事はいくらでもあるし、そういう仕事に就けるように努力するべきだと思いますね。

 

  • 僕はAIに反対

こんだけ語っといてアレなんですが、僕はAIの全面導入には反対派です。部分部分のAI化は大歓迎ですが。いくらなんでも個人情報とかをすべてAIに委ねるのは怖すぎる。怖いって言ってるのには理由があって、作中にもありましたが、AIが「人を尊重する仕組み」をとりいれていることを悪用して「人を選別する仕組み」にするなど、人が介在したら暴走してしまう作りになってたら大変なことです。真犯人も結局そこを突いてたわけですから。AIはあくまで問題解決の手段でしかないです。AIを使って何かしよう!ほど間抜けな経営者の発言はありません。AIを作るのはあくまで人間です。その人間が完璧でなければ、作ったAIも完璧なわけがありません。この世界に完璧な人間がいるとすれば、是非ともその方に革命的なAIを作って頂きたいです。

作中で記者の方が主人公桐生に問いかけていました。「人工知能は人を幸せにできるのか」。これに対して桐生は「考えておきます」と答えていました。これって本当は僕らに問いかけていることなんじゃないかと思います。AIによって人々の生活は豊かになる、しかしリスクもある。その中でAIはどうあるべきかという問い。僕は先程述べたと通り、AIはあくまで問題解決の手段でしかない。人工知能は人を幸せにするのではなくて、生き方のサポートをしてくれる、それくらいの認識の方がいいでしょう。だからこそ僕は、人を幸せにするのは人工知能ではなく、人であると思います。どう生きるか判断するのはあくまで人間。AIに操られる人間ではなく、操る(活用する)側の人間になりたいものですね。

 

調子に乗って原作本まで買ってしまいましたが、本当にいい映画でしたのでぜひみんな見てください…という文がブラウザバック勢には伝わらないのが世知辛い…こういう時にいい感じに相手に伝えてくれるAIとかないですかね?